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  • 古典・現代文を解りやすく解説してしまう、少し変なサイト 古今集の和歌あれこれ

    ~ボツヂル古文・漢文・現代文~

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    古今集の和歌あれこれ

     
    kuriyama_c20001.jpg


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    とりあえず、訳・鑑賞・解説してみよう。


    「世の中に 絶えて桜のなかりせば、春の心は のどけからまし。」 在原業平(ありわらのなりひら)


    (口語訳) 世の中に、まったく桜が無かったら、春の心は、のどかであったろうにね。

    (鑑賞) せっかく咲いた桜の花が、散ってしまうのが気がかりで、春の人の心は忙しない。
    いっそのこと、桜が全くなかったら、春はのどかだったのになぁ。
    と言いながら、春のいちばん気になる風物・桜の花を称えた歌。

    (解説) 作者の在原業平は、「昔、男ありけり~」で始まる『伊勢物語』の主人公ではな


    「えっ?」と思った人も多いだろうが、
    『伊勢物語』は業平とは無関係の創作だというのが古文研究の定説になっている。

    和歌の意味を考えるときは、一応「歌合・うたあわせ」をイメージしておいた方がいい。
    ほとんどの和歌は、単独で作られたものではなく、歌遊びの例会の席上で「前の人の歌」を受けて作っていく。
    だからこの和歌は、「桜の花が散ることに、心が落ち着かない」みたいな歌を受けて作ったものと想像できる。

    31音の中に「の」を4回も使った業平の本心は何だろう。
    桜が散っても「のどかな春」を強調したかったのかも知れない。

    (文法事項) 「せば~まし」・よく問われる反実仮想の表現。
    型どおり「もし~だったら~だったろうに」と訳してしまえばいい。


    「ひさかたの 光のどけき 春の日に、しず心なく 花の散るらん」 紀友則(きのとものり)


    (口語訳) 光がのどかな春の日に、(どうして)落ち着いた心もなく花は散っているのだろうか。

    (鑑賞) 春の、のどかな日差しの中で、どうして桜のは、はらはらと花びらをちらすのだろうか。

    (解説) これも「の」を4つ使っている。
    業平の歌と並べると、「の」x4効果をイメージできるだろうか?
    古今集で、ただ「花」と出てきたら「桜の花」、「花の香・匂い」なら「梅の花」と覚えてしまえばいい。

    (文法事項) 「ひさかたの」は、「光」にかかる枕詞。
    枕詞の見分け方は「無くても意味が通じる5文字のコトバ」でかまわない。
    枕詞は、訳さない。
    基本的に初句にある。
    いちいち覚える必要は無いぞ。感覚で判るようになってくる。

    「らん」は現在推量・連体形。
    表記は「らむ」なので、そのまま「RAMU」と発音するショウモナイ教師陣が多いが、
    マネしないように。


    「五月(さつき)待つ 花たちばなの 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」(詠み人知らず)


    (口語訳) 五月を待って咲く橘の花の香りをかぐと、昔親しかった人の 袖の香りがする。

    (鑑賞) 上のとおり。名作ですね。
    誰もが「自分の気持ちを歌っている」と感じ入るるものを、名作と呼ぶ。

    (解説) 「詠み人知らず」とは、誰の歌か判らないの意味ではなく、「殿堂入り」の名作と考えた方がいい。
    「詠み人知らず」と評価される歌を詠むことは、今でも歌人の憧れである。

    アロマは、平安時代の常識で、焚き込めた香の匂いイコールその人のアイデンティティーでもあった。
    以前、家に行くと、いつも香を焚いて歓迎してくれた女性がいて、
    その時は「へぇ~」っていうカンジだけだったんだが、
    会えなくなってからは、同じ香りに出会うたび、胸がきゅーっとなる(;;)
    今でも、その香のにおいをかぐと彼女のことを思い出すのだから、この歌の想いはよくわかる。

    古典の解釈には5感を大いに働かせることが大切だ。


    「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども、風の音にぞ おどろかれぬる。」 藤原敏行(ふじわらのとしゆき)


    (口語訳) 秋が来たと、目にははっきりと見えないけれど、風の音で自然と気が付いた。

    (鑑賞) 夏の終わりを、風の音で、ついつい感じてしまった藤原敏行だ。
    この歌の要は、結句の「おどろかれぬる」。
    「おどろく」は「はっと気づく」の意。
    「れ」は、ここでは自発の意味になるので、「自然に」トカ「ついつい~」と訳さないと点を取れない。

    この和歌を昭和風散文詩に展開すれば「ちいさい秋みつけた」という童謡が出来たりする。

    (解説) 古今集をひと言でいうと「季節の細やかな移り変わりを和歌で表現したもの」と言える。
    恋の歌よりも、季節や自然に重きがある。

    「古今集の特徴・技巧的、優雅、理知、観念、たおやめぶり」と覚えても、
    テストでゴミのような点数を取ること以外には役に立たないだろう。
    古今集の通読すらした事のないベテラン教師連中が、講義をし、
    テスト問題を作っている(コピペしている)教育界・受験産業界の現実を、
    若い君たちは、ゆめゆめ忘れてはならない。

    だから、自主学習なしに、国語力が身につく訳がない。
    文学作品は、もっと、自分の感覚を信じて、ストレートに受け止めた方が面白いし、後から役に立つ。
    初めは間違った解釈をしていても、やがて正しい解釈が出来るようになる。
    その方が、結局は自分のためになるんだ。

    (文法事項) 「る・らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の4種がある。
    「自発」の見分け方はカンタンだ。
    「心情表現」が一緒にあったら、自発にとればいい。
    ここでは「おどろく」が心情語。

    係り結びは、4句目の「ぞ」を受けて結句が「ぬる」という連体形になっている。


    「きりぎりす いたくな鳴きそ。秋の夜の ながき思いは 我ぞまされる。」 藤原忠房(ふじわらのただふさ)


    (口語訳) こおろぎさん、そんなに鳴かないで。秋の夜の、長い嘆きは私の方が深いのだから。

    (鑑賞) 秋の夜長に、好きな人のことを思っている。
    話したい・・・あなたは今、何をしてるの?
    そばにいたい・・・あなたは今、誰と一緒にいるの?
    悲しんでいるうちに虫の声も小さくなった。もう夜明けが近いよ。

    スピードの名曲「熱帯夜」の男性バージョンだね。
    こっちの方が1000年前なんだけど。

    (解説) 2句切れのほかは特になし。わかりやすい歌だ。

    (文法事項) 2句目「な鳴きそ」は「な~そ」で、「~するな」の意味になる。
    訳は、そのまま「鳴くな」とすればいい。

    「な~そ」や「せば~まし」の「な」・「せば」などを「呼応の副詞」と呼ぶ。
    入試必修項目事項なので、絶対忘れないように。


    「花の色は うつりにけりな。いたずらに わが身世にふる ながめせし間に。」 小野小町


    (口語訳) 花の美しさは、あせてしまったなぁ。
    むなしい長雨が降り続いていた間に、恋愛にかまけてもの思いに耽っているうちに。」

    (鑑賞) 花の色=女性の美貌・作者のいちばんキレイだった時
    むなしい長雨は、実らなかった恋とも、つまらなかった男との恋とも取れる。

    (解説) 4句目の「ふる」は「経る」と「降る」の、結句の「ながめ」が「眺め」と「長雨」の掛詞。
    同時に、「降る」と「長雨」が縁語になっている。

    この歌を引き合いに出して「古今集は技巧的でうんぬん」と解説されることが多いが、
    小野小町は、技巧を振りかざしたくてこの歌を詠んだのではあるまい。


    (文法事項) 掛詞が入ってきた時の訳し方は、両方とも分かるように訳さなくてはならない。
    「一人で、どんべえ、すすり泣き」という文でも、
    「ひとりで、どんべいを啜りながら、すすり泣きをする」と、いちいち訳さなくてはならない。
    古文の掟みたいなものだから、割りきった方がいいぞ。

     
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    日記文学・平安 | コメント(2) | 2007/05/16(Wed) 20:49:22

    コメント

    和歌って面白いんですねー!学校の授業の何倍も興味をもてました
    【2007/05/17 13:12】 URL | あし #-[ 編集]
    初コメントありがとうございます。
    テストで狙われるポイントも少しは書きますので(笑)今後もよろしく。
    【2007/05/19 11:16】 URL | Anne-Grand #WGv/JGO2[ 編集]
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